マレーシアでインターナショナルスクールを選ぶのは、家族の大きな決断です。私たち家族も学校選びに苦労しましたが、じっくり調べ、足を運ぶことで「ここだ!」と思える学校にたどり着きました。
特にインターナショナルスクールの選び方では、子どもに合った環境を見極めるための知識が重要です。と言うのもマレーシアには約180ものインターナショナルスクールがあり、選ぶのにもひと苦労。
失敗すると、、、
・同じ国籍の人ばかり!
・スクールバスが来てくれない!
・英語がついていけない!
と言ったケースも良く耳にします。
そこで今回は、学校選びの3つの重要ポイントを詳しく掘り下げるとともに、「学校選びの失敗例」「学費の違いによる差」「エリアごとの特徴」についても具体的に解説していきます。
1. カリキュラムの違いを理解する
まず、はじめに大事なのはカリキュラムの違いを理解することです。
結論から言うとマレーシアにあるインターナショナルスクールの9割はイギリスがベースのカリキュラムになっています。
元々イギリスに統治されていた国ですから、ある意味当たり前のことかもしれません。
ですが、1割に、アメリカ系、カナダ系、オーストラリア系、IBプログラムなどの学校があり、その選択肢は多岐にわたります。
という訳でその違いや選び方を解説していきます。
各カリキュラムの特徴と選び方
マレーシアのインターナショナルスクールは、多様な教育カリキュラムを提供しています。代表的なもの、IBとイギリス系とアメリカ系を紹介します。
IB(International Baccalaureate)
探究型学習を重視し、クリティカルシンキング(批判的思考力)を育成します。世界中の大学で認められており、特に欧米の大学進学を視野に入れる家庭に人気です。
特徴: 全人教育を目指し、学問だけでなく社会的責任やリーダーシップを養います。
費用感: 年間学費は70,000~150,000リンギット(約210万円~450万円)。
IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)
イギリス式のカリキュラムで、学問的な基礎を築きたい家庭に向いています。進学先も幅広く、学問に重点を置く家庭におすすめです。
特徴: 科目選択が柔軟で、理系・文系どちらの進路にも対応可能。
費用感: 年間学費は50,000~120,000リンギット(約150万円~360万円)。
アメリカンカリキュラム
アメリカの大学進学を目指す家庭に最適で、比較的自由な学びのスタイルを提供します。個性を尊重し、幅広い才能を伸ばす教育方針が魅力です。
特徴: プロジェクトベースの学習が多く、創造力を養います。
費用感: 年間学費は60,000~130,000リンギット(約180万円~390万円)。
カリキュラムと価格に相関性はさほどなさそうですが、安い学校から選ぶとなると数が多い分イギリス系の方が選択肢が多くなります。
学校選びの失敗例: カリキュラムの理解不足
実際にあった学校選びの失敗例を紹介ですが、カリキュラムの違いを理解せずに選んでしまい、後から「希望する大学に進学できない」というケースもあります。
ある家庭では、アメリカの大学進学を目指していたにもかかわらず、イギリス式のIGCSEを選び、結局別途進学準備をすることになったそうです。
また、「行ってみたらマレーシア人ばかり!」と言った学校や、「中国語が出来ないと学校についていけない」と言った声も聞くので、学校選びはかなり重要です。
中国語も、ITも、シンガポールマスも、アントレプレナーシップも、クリティカルシンキングも、、、、、と詰め込むのも良いですが、子どもの教育は、何かを取ろうとすると何かを犠牲にします。よって優先順位付けも重要な要素だと思います。
PISAランキング
PISAランキングというのをご存じでしょうか?
簡単にいうと学力の世界比較です。
各国の教育レベルの差を鑑みるのに、このような数値データを参考にするのも一つの手。
ちなみにアカデミックスコアだけで言うと、アジアの方がヨーロッパやアメリカよりも高い傾向にあります。つまりあまりにも欧米フリークになりすぎて、アカデミック部分をおろそかにならないように、保護者としては注意が必要かもしれません。
2. 学費による違いを知る
マレーシアのインターナショナルスクールの学費は学校やカリキュラムによって異なり、年間50,000リンギット(約150万円)から200,000リンギット(約600万円)までと幅広いです。
厳密には150万円以下の学校もあるのですが、多くの日本人が選ぶという観点で、下を150万円と設定させて頂きます。
また、日本人の多くは150万円前後の学校から探すか、クオリティーを重視し300万円台の学校から選ぶ方が多い傾向にあります。
学費の違いがどのような影響を与えるのか、具体的に見ていきましょう。
学費の差がもたらす教育の違い
以下は、あくまでも傾向です。ですが、真実なので、読んでおいて損はないと思います。
学費が高い学校
・教師がネイティブ、もしくは質が高い(多くは欧米の資格を持つ教師が採用されている)。
・校舎が最新設備を備えており、スポーツ施設や図書館が充実。
・生徒数が少なく、一人ひとりに対する指導が手厚い。
学費が低い学校
・教師の国籍や資格が多様で、欧米以外の教師が多い場合も。
・設備がシンプルで、施設面では少し劣る。
・クラスサイズが大きく、個別指導が少ない場合がある。
3. エリアごとの特徴を理解する
主なエリア別の特徴
マレーシアの主要都市には、それぞれインターナショナルスクールの特色があります。地域ごとに違う環境を理解することも重要です。
クアラルンプール(KL)
首都であり、インターナショナルスクールが最も多いエリアです。IBやIGCSE、アメリカンカリキュラムを提供する学校が幅広く選べます。交通渋滞が激しいため、通学時間の計算が重要です。
平均学費: 年間80,000~150,000リンギット(約240万円~450万円)。
主な学校: ISKL(International School of Kuala Lumpur)、Alice Smith Schoolなど。
ジョホールバル(Johor Bahru)
シンガポールに近い地域で、コストパフォーマンスの良い学校が多いです。シンガポール教育システムを取り入れた学校もあり、進学面での選択肢が広がります。
平均学費: 年間50,000~100,000リンギット(約150万円~300万円)。
主な学校: Marlborough College Malaysia、Raffles American Schoolなど。
ペナン(Penang)
海沿いのリゾート地で、自然豊かな環境が魅力です。リラックスした雰囲気の中で学べる学校が多いですが、選択肢はKLやジョホールより少なめです。
平均学費: 年間60,000~120,000リンギット(約180万円~360万円)。
主な学校: Uplands International School、Straits International Schoolなど。
つまり、田舎の学校の方が学費は安くなる傾向にあります。
まとめ: 情報と家族の話し合いが成功の鍵
学校選びは情報収集と現地での体験、家族全員の話し合いが重要です。カリキュラムの違い、学費の影響、エリアごとの特徴を理解しながら、子どもに最適な環境を選びましょう。
なお、移住の第一歩は学校視察です。学校選びに困ったら、まずはご相談ください。